硬派に生きれ「さかさあ」

硬派な便座


強い
便座たるもの、やはり強くなければ生きてはゆけぬ。これ世の習わしにて定め。人、百貫目あるものも、あるいは千貫目あるものおるやもしれぬ。そぬ重きヒューマンをば支えられぬで何が便座か、恥を知れ。重きくらいで割るるやうな便座なぞ便座足らず、単なるプラスチックにて死。
冷たい
第一、ホットなる便座なぞ、こるは便座でなきこと滝のごとし。座してひんやりと、あるいはショックで心臓止まるほど冷え冷えなる便座こそ便座の中の便座。エレキにてぬくき便座なぞ何が風流たるや。我なぞ富士の山より取り寄せたる山頂なる雪にて便座冷やし、修行の一環たる便座冷え冷え業毎日行っておるなり。また冷え性にて耐えられぬ場合、腰を浮かして用を足し、いわばスクワツトになり一石二鳥ではないや。感動的展開にて、冷え冷え便座カンヌにて賞確実。
布巻きたるは万死
便座にカヴァアなぞし、パステエルなる色調を愛でる輩甚だ多し。誠、日本の未来行く末を案ずるにて、悲しきことこの上なき候。デパアトの便座カヴァア売り場なぞ無くなってしまへばよいのにと思いし候。しかしなれど、飛騨ぬ山奥にて、一針、一針縫って「少しでも心地よければよいなぁ」と命削っておられる便座カヴァア職人の皆々様の事考えるとそれはできぬ、できぬ。従って、一つこの項は無かったことにしていただきたく候。
角張っておる
へりのところ、丸めてある便座多し。あれは駄目。やはり硬派たるは角張るにあり、たとへ、波風立とうとも四角四面に生きて行かねばならぬ。そうでせう。つまり便座たるはあのやうなまあるい、そして前方に向かって細くなどという曖昧なる形状は甚だまずし。やはり四角く、そして角は刺さるなるば死ぬるほどのとんぎり方でなくるばなるまいて。先日も我が家の便座で我怪我し、「痛いなぁ、こおのやろう」とけっ飛ばしてやった。しかし、上に書いたやうに我が家の便座強いゆへ、我ノックダウン。次回対戦のため、滝に打たれて三年、川に流され二十有余年過ごすゆへ、覚悟いたせ。